これまでに市内ののべ15校で実施するなかで、より効果的な授業のあり方を模索したいと考えていた渡壁さん。
その助っ人となるのが上田茂雄さんです。現在お仕事で子どもたちへのプログラミング教室を運営するほか、ボランティアでも子どもから大学生までをも対象に教えています。
そもそも、プログラミングってなんでしょう。言葉としては知っていても「コンピュータに詳しくないとむつかしそう」「プログラマーがする仕事」というイメージではないでしょうか。
プログラミングとは「コンピューターを動かすための指示書き」ともいえるもの。ネットの検索も、アプリ機能も、そして家電など、私達の身の回りの多くの便利な機能はプログラミング処理されています。
では、なぜ学校教育にプログラミングが必要なのか。文科省の言葉を用いると「プログラミング的思考を養う」ことが目的のひとつとされています。
プログラミングを行うということは、手順をつくる、つまりはレシピづくりです。
レシピというと料理が思い浮かびます。例えば「ご飯を炊く」。
①お米の分量を量る
②お米を研ぐ
③炊飯器に研いだ米と、米の量に合った水を入れる
④炊飯スイッチを押す
⑤炊きあがったらさっくりかき混ぜてお茶碗によそう
成果物(料理)ができあがるまでの、その過程を組み立てて、組み立てた順序を通じて行動することが、プログラミング的思考ともいえます。
渡壁さんが行なっている出前授業は、6年生の理科での電気の利用を学ぶ項単元のなかで実施。
電気製品にはプログラムが活用され、条件に応じて動作していることを学ぶ目的で、実際にプログラミングで点滅する信号機を児童が作ります。
ただ、児童たちにとっては工作作業のようになり、目先のことだけに集中してしまいがちです。
プログラミングを授業に取り入れている意義を、効果的に児童に伝えることについて模索する日々が続いていました。